電波監視

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パーソナル無線に限らず、電波監視に関する特集記事を組んでみました。

2004/06/02 UPDATE


不法電波とは?
免許を持たないのに無線機器を勝手に使い、また好き勝手な周波数で電波を出すものを不法無線局と呼んでいる。
なぜ不法電波はいけないのか?
日本をはじめ、世界中の無線局は国際条約と各国ごとに決めた電波の法律に基づいて、 使用方法が決められている。これは無線局どうしが混信して、通信が混乱しないようにするためである。 それを好き勝手な周波数で電波を出すと、正しく通信している無線局に迷惑を与え、 混乱を招くことになってしまう。
不法無線局と言ってもよくわからん。具体的には?
不法無線局は、ほとんどが、不法市民ラジオ、不法パーソナル無線、不法アマチュア無線の3種類に 大きく分類されている。「免許がない」、「免許があっても、無線機に改造が施してあり規定外の周波数で電波が発射できる」 という方はただちに撤去した方が良い!
不法無線局はどのような無線局に妨害を与えるのか?また妨害を与えるとどうなる?
不法市民ラジオ(不法CB)は、テレビやラジオの受信に妨害を与えたりする。 テレビやラジオを聞いていると突然大きな人の会話が混信するなんてことを体験したことが無いだろうか? また、その強力な電波は、コンピュータなど電子機器の誤動作を引き起こす。 最近発生した例では、不法無線の強力な電波により自動点火式ストーブの電子回路が誤動作し、 ストーブが勝手に着火、火災を起こす事件もあった。
不法パーソナル無線の場合は、規定の周波数以外にも自由に設定できるよう改造して使用するため、 災害時に使用する地域防災無線、業務用無線(MCA無線局)や携帯電話の周波数に割り込み、 その妨害により通話が出来なくなる。
不法アマチュア無線の場合は、正規の周波数から逸脱した不法電波により、 消防・救急、列車、船舶、航空機など人命に係わる重要な無線局に妨害を与える事案が多く発生している。
 例えば、航空関係の無線局に妨害を与えた場合、飛行機と管制塔との通信は遮られ、 飛行機は飛行コースの指示が受信できない、着陸ができないなどのトラブルが発生し 最悪の場合は衝突したり墜落するということも考えられる。
なぜ不法無線局がいるのだろう?
まず、高性能な無線機器が安価に入手できることにある。 また、多少の知識等があれば改造ができどの周波数でも容易に電波の発射が可能に なってしまう。
 不法無線局を使う人は、改造された無線機を車両に設置し、 仕事仲間などとの間で道路情報の交換や暇つぶしの会話を楽しんでいる。 彼らは、違反と知りつつも、この程度なら誰も困らないだろうと思い使っているようだが、 実は彼らの知らないところで、様々な被害が発生しているのだ。
免許がないのに無線機を買って、電波を出したらどうなるのか?
たとえ、市販の無線機を改造などせず、そのまま使ったとしても不法無線局になり電波法違反になる。
突然警察官が自宅に来たり、あるいは車両を運転中に停止を求められ検挙されることもある。
免許はないが、送信できる無線機を受信目的として車につけた場合どうなるのか?
不法局を摘発した場合、ほとんどの方がそういう言い訳で逃れようとする。 しかし、電波が発射できる状態にあれば、「立派な不法局」となる。 あわててマイクを隠したりアンテナをはずしたりしてもすぐに発見される。
 1.アンテナをはずしてあっても、容易に取り付けが可能である。
 2.容易にマイク等の接続が可能である。
 3.容易に電源等の接続が可能である

 などは、不法無線局を開設しているとみなされる。
 送信の意思が無く受信目的であっても、送信可能な無線機の設置は避けたほうが良さそうだ
違法局という言葉もあるが、違法局と不法局とはどう違うのか?
どちらも電波法に違反していることには違いはない。 大きな違いは、無線局の免許を有しているかいないかである。 違法局とは、正規な免許を持っている無線局が違反をした場合をいう。

 例えば、許可された空中線電力が10ワットのところ50ワットで運用した場合などは 違法局となる。不法局とは、全く許可を受けず無免許のまま無線機器を使用する場合。 たとえ、市販の無線機を改造などせず、そのまま使ったとしても、不法無線局になり 電波法違反になる。
電波法違反で捕まったらどうなるのか?
電波法に基づいて処罰され、懲役や罰金が科せられる。
電波法には刑罰が規定されており、 「一年以下の懲役又は100万円以下の罰金」の罪に 問われる。更に、重要な無線局に妨害を与えると、 「5年以下の懲役又は250万円以下の罰金」に 処せられることになる。

刑罰のため、前科がつく。
総合通信局は、警察のように不法局無線局の運用者を捕まえてくれるのか?
総合通信局は行政機関であり、警察のような司法機関ではない。 従って、不法無線局の運用者を当局単独で取り締まること(逮捕、検挙など)は出来ない。
しかし、総合通信局は、各警察署及び海上保安庁と共同で不法無線局の摘発に力を入れている。
取締りで警察に捕まったらどうなるのか?
例えば、路上で停止を求められると路側等に誘導され不法無線局であるかの確認が行われる。 その結果、不法無線局であることが確認されると、不法無線局の無線設備の取り外しが行われ、 運用者は警察官による取り調べが行われる。 その後は検察庁に送検されて起訴され、裁判によって刑罰が決定される。
なお、総合通信局が無線機を没収するということは無いが、 すべて法律(刑事訴訟法等)に基づき、証拠品として司法警察員に押収される。
総合通信局は、どのように電波の監視をおこなっているのか?
総合通信局は、電波が正しく使われているか、日頃から電波の監視を行っている。
一般の方から混信・妨害などの申告があった場合には、その情報に基づき電波の監視、調査を実施し 不法局の排除を行っている。

電波監視は最新の電波監視施設であるデューラスを中心に全国規模の電波監視網を張り巡らせて実施している。
電波監視の車両を見たことないけど、移動して監視しているのか?
一般の方からの申告情報や監査データに基づき、計画的に各市町村へ出かけ 積極的に電波の監視を行っている。不法無線局の探査は、普通乗用車の車両を使い、 車内に埋め込んだアンテナ等を使用して目立たないようにしている。 ほとんど「電波監視の車」だとわかることはないと思われる。(これはうそだよ! By ゴードン)
アマチュアバンド内は監視をしていますか?
アマチュアバンド内についても監視を強化している。 不法・違法局に対しては行政指導を行っており、悪質なもの等については、 警察等との共同取締りを実施している。

通信をするときは必ずコールサインを使おう。
ニックネームなどで通信すると不法局に間違われる。
仕事に関係する話など業務用としての通信はできない。
周波数の独占使用は認められていない。空いているチャンネルを使おう。
みんなが使い、聴いている。他人に聴かれても恥ずかしくない通信をしよう
免許された範囲で使用するのが基本である。
オーバーパワー、バンド外使用などは電波法違反となる。
アマチュア無線では、電波の型式ごとに使用区別が決められているようだが、 V・UHF帯の使用区別はどうなっているのか?
電波の型式による区別は、SSB用、CW用、FM用、衛星用、レピータ用、パケット通信用などに区別されている。
V・UHF帯については、50、144、430、1200及び2400MHz帯の区別表を参照の事。
パーソナル無線は監視をしているのか?
バンド内外ともに監視を強化している。 パーソナル無線は、音声と併せ無線局のデータ信号が送出されるため、 データ信号による監視も行っている。

ロム(ROM)がないのに電波が送出できるよう改造されているものがあるため、 これはDEURASシステムで監視し移動監視等で運用者を特定して行政指導を行ったり、 規正用無線局により運用者に対し直接警告を発している。 また警察等と共同で取り締まりを実施し不法運用者の摘発にも力をいれている。
規正用無線局とは何か?
規正用無線局は、混信・妨害の排除を目的として、 総務省が自ら開設する「特別業務の無線局」の事。 不法・違法な運用をしている無線局に対して直接その周波数にて、 電波の規正(警告・注意)を行い、違反者に対して電波法違反であることを自覚させることにより 不法・違法電波の発射の抑制を図る。
どの周波数でどのような場合に規正用無線局が運用されるのか?
・漁業用無線局等の周波数 27MHz帯
 不法CB無線に対して直接その周波数で規正する。

・携帯電話、地域防災無線、業務用無線等 900MHz帯
 不法パーソナル無線に対して直接その周波数で規正する。

・アマチュア局、一般業務等の周波数
 28,52,145,435,1250MHz帯
 不法アマチュア局など、本来の無線局の運用を妨害する不法局、  アマチュアバンド内での使用区分違反、ノーコールなどの違反局に対して直接その周波数で規正する。
規正用無線局はどのような内容で警告をするのか?
規正通信の内容の一例。
「こちらは○○総合通信局です。 あなたの発射する電波は、他の無線局に妨害を与えています。 直ちに電波の発射を中止しなさい。あなたの行為は電波法違反で、 懲役刑または罰金刑の対象となります。この警告に対する問い合わせは、 ○○総合通信局監視課(調査課)まで。」

 くれぐれも規正用無線局から警告を受けないよう、ルールを守って運用しよう。
規正用無線局から警告された場合どうすればよいか?
電波法に違反した運用なので直ちに電波の発射を停止する。 免許が無い人は無線設備を撤去する。

 くれぐれも規正用無線局から警告を受けないようにルールを守って運用しよう。
テレビやラジオ、新聞などで電波の重要性を広報したらどうか?
総合通信局が実施したテレビ、ラジオ、新聞などの広告を見たことはないだろうか? 毎年6月1日から10日を電波利用保護旬間、10月1日から1ヶ月間を受信環境クリーン月間と定め、 この期間に重点的に行っています。そのほかには、
・電車の中吊り広告、ポスターの掲示
・高速道路での注意喚起
・ハムフェア等各種イベント会場での広報及び監視車の一般公開
・広報車による周知広報
電波監視の仕事について、もっとわかりやすく説明した資料はないかか?
各都道府県の図書館に「不法電波を追え」というビデオテープを配布した。 比較的わかりやすく映像で説明しているので、機会のある方は図書館へ。

また、パンフレット等を用意しておりますので、総合通信局までお気軽にお問い合わせを。
不法無線局の被害を受けた時には、どこに相談すればよいのか?
気軽に最寄りの総合通信局へ相談。電話または文書による申告を受け付けている。
不法無線局と思われる車両のナンバーを控えたが、受け付けてもらえるか?
電波監理部へ連絡を。
・アマチュア関係ならば監視課へ
・パーソナル無線・不法市民ラジオ関係ならば調査課へ。

電話による申告に当たっては、次の事項を尋ねる。(文書の場合は記載)
・混信・妨害の原因者(車輌ナンバー、会社名等)
・申告される方の住所、氏名、電話番号
・混信・妨害の発生年月日、時間、場所等
・混信・妨害を受けている設備(カーラジオ等)
・無線局に対する混信・妨害の場合は、その種別(アマチュア局、消防無線など)、周波数、電波の型式
・混信・妨害の状況
・その他参考となるもの
(車輌ナンバープレートの文字・数字は、見間違えのないよう正確に。)

調査の後、不・違法な無線局であることが判明した場合は、 車輌所有者を通じ利用者に対し指導等を行う。